働く世代の眼科受診:平日夜・土曜・予約の使い方

最終確認

夕方の駅のホームで、帰りの電車を待ちながら遠くを見る会社員の横顔

宇治市や城陽市、京田辺市、木津川市などの京都府南部、山城地域には、京都市内や大阪へ電車で通勤している人が多く暮らしています。朝早く家を出て、帰りは日が暮れてから。平日の昼間に地元の眼科へ行く時間はなかなかつくれません。

目のことで気になることがあっても、「時間ができたら行こう」と思ったまま、何か月も過ぎてしまう。働く世代にはよくある話です。けれども、仕事が忙しい年代は、近視の進み具合が落ち着く一方で、老眼が始まり、緑内障などの病気が増えてくる年代とも重なります。ここでは、仕事を続けながら眼科とつながっておくための時間の使い方を考えます。

まず「行ける時間」を決める

眼科を選ぶとき、働いている人がまず確かめたいのは、自分が行ける時間に受け付けているかどうかです。時間帯ごとに、向いている用件と気をつけたいことを並べてみます。

行く時間 向いている用件 気をつけたいこと
平日の夜(夜診) 定期の経過観察、コンタクトの検査、軽い症状の相談 受付の締め切りが早い。混みやすく、時間のかかる検査は別の日になることがある
土曜日 初めての受診、ゆっくり説明を聞きたいとき 午前だけのところが多く、とても混み合いやすい
平日の昼(休みを取る) 瞳を開く検査、視野検査など時間のかかる検査 半日ほどの余裕を見て休みを取る

関西では、夕方から夜の時間帯を「夜診」と書いている眼科をよく見かけます。曜日が限られていることも多いので、時間表の注まで確かめましょう。読み方は「眼科の診療時間表の読み方」にまとめています。

職場の近くか、家の近くか

京都市内や大阪の職場の近くで眼科を探すと、昼休みや仕事帰りに寄りやすくなります。一方で、休みの日や体調が悪いとき、退職したあとのことを考えると、家の近くの眼科のほうが長く続けやすいこともあります。

通勤の途中にある乗り換え駅の近くを探す、という手もあります。帰り道に少し途中下車すれば寄れる場所なら、仕事帰りでも休日でも行きやすくなります。

正解はひとつではありません。急ぎの相談は職場の近く、定期的な経過観察は家の近く、と考える人もいます。ただ、同じ目の病気について二つの眼科を行き来すると、検査の記録が分かれてしまいます。定期的に診てもらう病気については、かかりつけをひとつに決めておくほうがよいでしょう。

予約を上手に使う

忙しい人にとって、予約は心強い味方です。上手に使うためのこつをいくつか挙げます。

  • 次回の予約は、診察のあと、その場で取る。家に帰ってからだと後回しになりやすい
  • ウェブ予約ができる眼科なら、空いている時間を見比べて選ぶ。初診は電話のみのこともある
  • 予約の時刻でも、検査の都合で待つことはある。予定は詰めすぎない
  • 遅れそうなとき、行けなくなったときは、分かった時点で連絡する
  • 瞳を開く検査が予定されている日は、車で行かない前提で予定を組む

瞳を開く目薬を使うと、数時間はまぶしく、ピントが合いにくくなります。運転はもちろん、パソコンの画面や書類を見る仕事もしづらくなるので、検査のあとに大事な会議を入れないようにしておきましょう。営業や配送など、仕事で車を運転する人は、その日の運転の予定を外しておく必要があります。

予約がいっぱいで先の日付しか取れないときは、症状を伝えて、それまで待ってよいかを聞いてみてください。急いだほうがよい症状なら、予約とは別に診てもらえることもあります。

職場の健康診断だけでは分からないこと

毎年の健康診断を受けているから、目も大丈夫。そう考えている人は多いかもしれません。けれども、職場の定期健康診断で目について調べるのは、主に視力です。眼圧や眼底の検査は、含まれていないことが多いのです。人間ドックでは選べる項目に入っている場合もありますが、受けたことがない人もいるでしょう。

視力の数字が問題なくても、緑内障は見つかりません。緑内障は自覚症状のないまま視野が少しずつ欠けていく病気で、片方の目の欠けをもう片方が補うため、かなり進むまで気づかないことがあります。

岐阜県多治見市で行われた多治見スタディ(日本緑内障学会)では、40歳以上の約5%に緑内障があり、そのうち約9割は自分が緑内障だと気づいていなかったと報告されています。40歳を過ぎたら、症状がなくても一度は眼科で眼圧や眼底を調べてもらう。そう考えておくと、受診のきっかけをつかみやすくなります。家族に緑内障の人がいる、強い近視があるといった人は、なおさらです。緑内障について知りたい人は日本緑内障学会のサイトや、「緑内障:自覚症状のないまま進む病気と40歳からの検査」も読んでみてください。

健康診断で「眼底に所見あり」「要精密検査」などと書かれていたら、忙しくても眼科を受診してください。結果の用紙は、受診のときに持って行きましょう。

年に一度の「目の点検日」を決めておく

忙しい人ほど、きっかけがないと眼科から足が遠のきます。そこで、自分なりの点検の時期を決めておくのもひとつの方法です。たとえば、10月10日は「目の愛護デー」で、毎年10月の第2木曜日は世界視力デーにあたります。秋のこの時期を、目の検査を受けるかどうか考える目安にしてみてはどうでしょう。誕生日の月や、職場の健康診断の結果が届いたときを目安にするのもよいでしょう。目に関する記念日については「目の記念日と健康イベントの歳時記」で紹介しています。

コンタクトレンズの定期検査

コンタクトレンズは、高度管理医療機器に分類されています。目に直接のせて使うものなので、痛みや見え方の異常がなくても、定期的に眼科で目の状態を確かめてもらうことが勧められています。検査の間隔は、レンズの種類や目の状態によって違うので、眼科医の指示に従ってください。

仕事が忙しいと、装用時間が長くなったり、ケアがおろそかになったりしがちです。こすり洗いをする、レンズケースを定期的に取り替える、水道水を使わない、決められた装用時間を守る。基本を続けることが、トラブルを防ぐいちばんの近道です。インターネットなどでレンズを買う場合も、眼科での検査を省かないようにしましょう。日々の扱い方は「コンタクトレンズのトラブルを防ぐ毎日のケア」に書いています。

パソコン作業と目の疲れ

一日の大半を画面の前で過ごす仕事では、目の疲れや乾きを感じる人が多いものです。画面を見つめていると、まばたきの回数が減りやすくなります。次のような工夫を取り入れてみてください。

  • ときどき画面から目を離し、窓の外など遠くを眺める
  • 画面との距離をとり、画面の明るさを部屋の明るさに合わせる
  • 意識してまばたきをする
  • エアコンの風が直接顔に当たらないようにする

ドライアイと画面の時間については「ドライアイと画面の時間:まばたき・湿度・休憩の工夫」でくわしく取り上げています。

ただし、疲れ目だと思っていたら、メガネやコンタクトの度数が合っていなかった、老眼が始まっていた、ということもあります。40代になって手元が見えにくくなったと感じたら、眼科で目の状態と度数を確かめてもらいましょう。休んでも疲れがとれない、見えにくさが続くというときも、自己判断で済ませず眼科に相談してください。

仕事を休んででも、その日のうちに

次のような症状があるときは、仕事の予定より受診を優先してください。

  • 急に視力が落ちた、片目が見えにくくなった
  • 光が走るように見える、黒い点や糸くずのようなものが急に増えた
  • 視野の一部が欠けた、カーテンがかかったように見える
  • 目の強い痛みとともに、かすみ、頭痛、吐き気がある
  • 薬品や洗剤などが目に入った(すぐに大量の流水で15分以上洗ってから受診)
  • 目にけがをした、異物が入って取れない
  • コンタクトを外しても強い痛みや充血、まぶしさが続く

光視症や急な飛蚊症の増加、視野が欠ける感じは網膜剥離のサインのことがあり、強い痛みに頭痛や吐き気をともなうときは急性緑内障発作のことがあります。いずれも早めの受診が必要です。夜遅くで受診先が分からないときは、救急安心センターきょうと(#7119)に相談できます。応急手当の方法は「目の救急:すぐ受診したい症状と応急手当」に載せています。

職場に伝えるときのひとこと

急な受診で仕事を抜けるときは、「目の症状で、今日中に眼科を受診するよう勧められた」と伝えれば十分です。瞳を開く検査を受けると、その日はパソコン作業や運転が難しくなることも、あわせて伝えておくとよいでしょう。

定期的な通院がある人は、受診の予定を早めに共有しておくと、休みを取りやすくなります。眼科の探し方から知りたい人は「眼科の探し方と受診ガイド」をご覧ください。