初めての眼科:受診当日の流れと持ち物

最終確認

木のベンチにそろえて置かれたメガネと帽子と小さなメモ帳。眼科へ行く日の持ち物

眼科の受診は、内科などと少し様子が違います。診察室に入る前にいくつもの検査があり、機械をのぞいたり、目に風を当てられたりします。日によっては瞳を開く目薬をさし、帰り道がまぶしくなることもあります。

前もって流れを知っておくと、当日の戸惑いはずいぶん減ります。ここでは、初めて眼科にかかる日のおおまかな流れと、持って行くと役に立つものを順に紹介します。検査の内容や順番は、症状や医療機関によって変わります。ここに書いたのはよくある一例として読んでください。

受付から会計まで

1. 受付と問診票

受付では、マイナ保険証または資格確認書を出し、問診票を受け取ります。問診票には、おおむね次のようなことを書きます。

  • どんな症状で来たか、いつからか、片目か両目か
  • 糖尿病や高血圧など、ほかにかかっている病気
  • 飲んでいる薬、使っている目薬
  • 薬などのアレルギー
  • これまでに受けた目の手術や、目のけが
  • 家族に緑内障などの目の病気の人がいるか
  • 車を運転するか、パソコンを使う仕事か

細かい字が見えにくい人は、老眼鏡を忘れずに持って行きましょう。書きにくければ、受付で聞きながら書いてもかまいません。

2. 視力検査

視力表の「C」の形をした記号の、切れ目の向きを答える検査です。何もつけない状態の視力(裸眼視力)と、レンズで度数を合わせた状態の視力(矯正視力)を測ります。眼科でとくに大事にするのは矯正視力のほうで、度数を合わせてもよく見えない場合は、目のどこかに原因がないかを考えます。

こうした検査は、視能訓練士という国家資格を持つ専門職が担当することが多くあります。仕事の内容は日本視能訓練士協会のサイトで紹介されています。

3. 屈折検査

機械をのぞくと、遠くに気球や家などの絵が見えます。そのあいだに、近視や遠視、乱視の程度を自動で測ります。ぼんやりと絵を眺めるつもりで、目の力を抜いているのがこつです。

4. 眼圧検査

目の硬さ(眼圧)を測ります。空気をぷしゅっと目に当てる方式が多く、初めての人は驚くかもしれませんが、痛みはありません。眼圧は緑内障を考えるときの材料のひとつです。ただし、眼圧が正常の範囲でも緑内障が見つかることがあり、眼圧だけで判断するわけではありません。

5. 医師による診察(細隙灯顕微鏡検査)

診察室では、あごを台にのせ、額を当てた状態で、医師が細い光を当てながら目を拡大して見ます。これが細隙灯顕微鏡検査です。まぶたや白目、黒目の表面、水晶体などの状態を確かめます。症状について質問されるのも、このときです。

6. 眼底検査

目の奥にある網膜や視神経を調べる検査です。瞳が開いたままのほうが広くよく見えるため、瞳を開く目薬(散瞳薬)を使うことがあります。写真を撮って記録する方法もあります。散瞳するかどうかは、症状や目の状態を見て医師が決めます。

7. 説明、次の予約、会計

検査の結果と今後の方針について説明を受けます。目薬が出る場合は、処方箋を持って薬局へ行くことが多いでしょう。次に来る時期の目安や、予約の取り方もこのとき確かめておきます。

症状によっては、ここまでの検査に加えて、見える範囲を調べる視野検査や、目の奥の断面を撮影する検査などが行われることもあります。その日のうちに終わらず、別の日に予約して行う検査もあります。窓口での支払いは、受けた検査の数や種類によって変わるので、初めての日は少し余裕を持って準備しておくと安心です。

瞳を開く検査がある日は

散瞳薬をさすと、効いてくるまでにしばらく待ち時間があります。効いたあとは数時間、まぶしさが強くなり、ピントが合いにくくなります。とくに近くのものが見えにくく、スマートフォンの字や書類が読みづらく感じる人が多いようです。

この状態での車やバイク、自転車の運転は控えてください。散瞳するかどうかは当日の診察で決まることもあるので、初めての日は、車で行くのをやめて、公共交通機関や家族の送り迎えを考えておくのが無難です。帰り道のまぶしさを和らげるサングラスや、つばのある帽子も役に立ちます。

所要時間は、混み具合と検査の内容で大きく変わります。散瞳検査が入ると、薬を待つ時間の分だけ長くなります。仕事を抜けて行く場合は、時間を詰めすぎず、半日ほどの余裕を見ておくと気持ちが楽です。

持ち物の一覧

持ち物 ひとこと
マイナ保険証、または資格確認書 保険で受診するために必要
お薬手帳 内科などで出ている飲み薬も含めて、いま使っている薬が一目で分かる
いま使っているメガネ 度数が合っているかを確かめられる。遠く用、手元用と使い分けているなら両方
コンタクトレンズの情報 レンズの箱や処方の控えなど、種類と度数が分かるもの
症状のメモ いつから、どちらの目に、どんなふうに。時間とともに変わったことも
サングラスや帽子 瞳を開く検査のあとの帰り道に
紹介状や検査結果 ほかの医療機関で受け取っている場合
老眼鏡 問診票を書くときに

コンタクトレンズを使っている人は、当日つけて行くか外して行くかを事前に電話で確かめておきましょう。目的によって指示が違うことがあります。外すことになったときのために、レンズケースとメガネも持って行くと安心です。

症状のメモは、思っている以上に役に立ちます。診察室では緊張して、伝えたかったことを忘れてしまいがちです。「朝起きたときがいちばんつらい」「右目を閉じると見え方が変わる」といった具体的なことを書いておくと、医師にも伝わりやすくなります。

前の日と当日の朝に気をつけたいこと

持ち物のほかにも、少し気をつけておくと検査がしやすくなることがあります。

目のまわりの化粧は、当日は控えめにしておくのがおすすめです。まつげやまぶたの化粧品が目に入ると、検査や診察の妨げになることがあります。メガネの度数を調べてもらうつもりなら、コンタクトレンズをいつ外しておけばよいかも、予約のときに聞いておきましょう。レンズをつけていると黒目の形が一時的に変わり、正確に測りにくくなる場合があるためです。

体調の面では、前の晩に夜ふかしをして目が疲れていると、ふだんより見えにくく感じることがあります。できるだけいつもどおりの状態で検査を受けられるよう、前日は早めに休むとよいでしょう。症状がいつ強く出るかに決まりがある人は、そのことも忘れずに伝えてください。

付き添いがいると助かる場面

一人で受診できる人でも、付き添いがいると助かる場面があります。ひとつは、瞳を開く検査のあとの帰り道です。もうひとつは、手術や治療の方針など、大事な説明を受けるときです。説明をもう一人が一緒に聞いてくれると、あとで内容を確かめ合えます。

高齢の家族に付き添う場合は、本人の話をさえぎらず、補うつもりでそばにいるのがよいでしょう。待合室が狭い眼科では、付き添いの人数についてお願いがあることもあるので、気になるときは事前に聞いておいてください。

子どもを連れて行くとき

子どもの目は、ことばで症状を伝えにくいぶん、保護者の気づきが受診のきっかけになります。弱視は子どものおよそ50人に1人とされ、視力の発達は6〜8歳ごろまでがとくに大事な時期といわれています。健診で受診を勧められたら、先延ばしにせず眼科へ連れて行ってください。3歳児健診の目の検査については「3歳児健診の目の検査:弱視を見逃さないために」でくわしく書いています。

受診をスムーズにするための工夫をいくつか挙げておきます。

  • 眠い時間やおなかがすいている時間を避けて予約する
  • 「機械をのぞいて絵を見るよ」など、何をするかを前もってやさしく伝えておく
  • 待ち時間のために、音の出ない絵本や小さなおもちゃを用意する
  • 健診の結果の紙、母子健康手帳、子どもの医療費助成の受給者証を持って行く

子どもでは、正確な度数を調べるために、ピントを合わせる力をゆるめる目薬を使うことがあります。目薬の種類によって効き目の続く時間が違うので、学校や外遊びの予定は、そのとき受けた説明に合わせて調整しましょう。

聞きたいことは、紙に書いて持って行く

初めての眼科で何を聞けばよいか分からないときは、次のような質問を手元に用意しておくとよいでしょう。

  • 今日の検査で分かったことと、まだ分からないこと
  • 次はいつごろ来ればよいか
  • 様子を見ているあいだに、どんな変化があったらすぐ来るべきか

目薬が出たときは、さし方や回数、ほかの目薬と一緒に使うときの間隔も確かめておきましょう。よくなったように感じても、自分の判断で使うのをやめず、次の受診で医師に相談してください。帰宅したら次の予約の日をすぐカレンダーに書き込んでおくと、うっかり忘れることが減ります。

受診前の眼科の探し方や電話で確かめたいことは「眼科の探し方と受診ガイド」に、時間表の見方は「眼科の診療時間表の読み方」にまとめています。気になる症状があるときは、準備が整うのを待つより、まず眼科に相談することを優先してください。急に見えにくくなった、強い痛みがあるといった場合は、その日のうちの受診が必要です。